【2024年版】オープンソースDevOps「Gitlab」を簡単構築できるVPSサービスを徹底比較!
Githubの競合サービスであるGitlabのOSS版「Gitlab」。VPSにインストールして運用することで、多彩な機能を低コストで利用することができます。
目次
Gitlabを簡単構築できるVPS プラン一覧
本ガイドは、以下のサービスを比較・検証し、おすすめを作成しています。各プランの価格は、現在のキャンペーンやクーポンを適用する前の価格です。
「Gitlab」とは?
Gitリポジトリ機能を中心としたDevOpsのOSSです。Gitリポジトリ管理、ビルド管理、テスト管理、デプロイ管理、コラボレーションツールなどがあり、機能としては最大手のGithubとほぼ同じ機能を有しています。
Gitlabは、Gitlab Inc.が運営するサービス版Gitlab(SaaS版)がありますが、ほぼ同じものがオープンソースでも公開されているため、VPSやクラウドなどにセルフホストして、「自分だけのGithub」的な使う方をすることが可能です。
サービス版GitlabとOSS版Gitlabの違い
サービス版GitlabとOSS版Gitlabの違いの違いを見てみましょう。
機能/特徴 | サービス版GitLab | OSS版GitLab |
---|---|---|
ホスティング | GitLab.com | 自己ホスト型 |
制限 | GitLab.comが定めた制限 | なし |
サポート | 有料サポート提供 | コミュニティサポート |
アップデートなどの管理 | GitLabが管理 | ユーザーが手動でアップデートとメンテナンス |
追加機能 | 一部の追加機能がサービス版のみで提供 | オープンソース版と同様の基本機能 |
カスタマイズ性 | 制限あり | 完全なカスタマイズとコントロールが可能 |
ライセンス | 通常はプロプライエタリライセンス | オープンソースライセンス (MIT License等) |
セキュリティ機能 | エンタープライズ向けの高度なセキュリティ機能 | セキュリティ機能はOSS版でも提供されるが、一部はサービス版のみ |
大きな違いは、「ホスティング」「制限」「管理」「サポート」という機能面以外の部分でしょう。
中小規模チームでOSS版Gitlabを運用する上で大きいのが「管理」と「サポート」。アップデートの管理やメジャーアップグレードの際のマイグレーション、データのバックアップなどは全て自身で行う必要があり、何かトラブルに遭遇した際も、コミュニティに質問することはできますが自身で解決する前提です。
また、機能面での制限はセルフホスト版にはないというのは、OSS版の大きなメリットです。
GitlabをVPSでセルフホストするメリット
GitlabをVPSでセルフホストする最大のメリットは、「制限の解放」と「セキュリティ」、そして「コスト」です。
SaaS版Gitlabには、レポジトリ数やレポジトリ容量、ビルド時間などに一定の制限がありますが、OSS版は制限を自身で設定することができるため、相応のサーバーリソースは必要ですが、制限をSasS版よりも高くすることができます。
また、セキュリティ面では、SaaS版Gitlabの場合、何かの不正アクセスがあった場合のリスクや、間違ってレポジトリをオープン公開にしてしまった際のリスクがありますが、セルフホストの場合はドメインやIPを公開しない限りは外部に知られることはないですし、VPNなどで自社ネットワーク以外のアクセスを禁止してしまえば、外部流出のリスクを最低限に抑えることが可能です。
コスト面では、SaaS版Gitlabの無料枠では足りず、課金をするか悩んでいる場合は、セルフホスト版は良い選択肢になります。SaaS版のGitlabは、無料プランの次がプレミアムプランで、月額29ドルからと比較的高額になるため、月額1,000円前後、ミドルスペックでも2,000〜3,000円程度で利用できるOSS版は、コストを大幅に削減することも可能になります。
Gitlabをセルフホストする際の推奨スペック
Gitlabはレポジトリ管理のみを使う際、必要なスペックは「利用するユーザー数」によって変化します。公式ドキュメントによると、「4コア・4GBメモリ」のサーバーでユーザー数500人以上を収容可能としています。
Installation system requirements | Gitlab
上記のページによると最低・推奨スペックは下記の通りになります。
項目 | 最低スペック | 推奨スペック |
---|---|---|
vCPUコア | - | 4コア |
メモリ | 2GB(SWAP) | 4GB |
ストレージ | - | - |
Gitlabには、CI/CD機能である「Gitlab Runner」など多彩な機能がありますが、それらを使うのであればビルド・デプロイ時にリソースを使うため、高いスペックが必要となります。
Gitlabを簡単セルフホストできるVPSを選ぶ際のポイント
- Gitlabテンプレートの有無
管理画面から一発でGitlabサーバーを立ち上げできるか?
- 長期利用を含めた料金
長期契約も含めてプランが大手クラウドストレージよりも安くなるか
- プランアップグレードの可否
規模が大きくなった際に、簡単にアップグレードができるか?
OSS版Gitlabは、
- Linuxパッケージ
- Docker
- ソースコード
などで提供されており、自身でインストールして運用することも可能です。ただ、インストールだけでなく設定も含めると、ある程度は作業時間・知識が必要になるため、GitlabテンプレートがあるVPSを使うのがベスト。トラブルも少なく、数クリックでGitlabサーバーが構築ができます。
スペック面では、今回は10人程度の小規模チームでCI/CD機能を使う前提で、「3コア・2GBメモリのVPS」で比較をしていきます。一つしたの2コア・1GBメモリプランよりもコスパが高く、VPSはプラン変更が可能なので、規模に合わせて後からアップグレードするとして、2GBメモリのVPSプランは「スタートプラン」として考えましょう。
ベスト「Gitlab」VPSはこれ!
バランス・コスパで選ぶならこのVPS
バランスとコスパがベストConoHa VPS 2GBプラン
なぜこのプランがベスト?
ベストプランはConoHa VPSの2GBプラン。スペックも3コア・2GBメモリと十分で、なんとキャンペーン時に長期利用契約をすれば月額料金は500円未満になることも。SaaS版の1/10程度に抑えることができます。また、ストレージが100GBと大きいのが嬉しいポイント。100GBあれば、レポジトリデータが蓄積されてしまってしまっても、ある程度は許容できます。
また、ConoHa VPSは長期利用契約をしていても、差額を支払うことでプランアップグレードが可能なため、安心して長期利用できます。
メリット・デメリット
- メリット
- キャンペーン時に長期利用契約で500円未満と驚異的な低価格
- ストレージが100GBと多い
- デメリット
- 単月契約が高い
処理性能で選ぶならこのVPS
処理性能がベストXServer VPS 2GBプラン
なぜこのプランがベスト?
処理性能で選ぶならXServer VPSの2GBプランがベスト。最新のAMDサーバーに収容しているため「競合比4.9倍の性能(XServer調べ)」なため、競合VPSサービスの2つくらい上のプランと同等の処理性能があります。
Gitlab Runnerを使うなら処理性能が重要となるため、より快適にビルド・デプロイを使うことがでいます。ただし、ストレージは50GBと多くないため、2GBプランにストレージ拡張オプションをつけて運用するの◎。
それでも、SaaS版Gitlabのプレミアムプランよりも安くなるでしょう。
メリット・デメリット
- メリット
- 最新のAMDサーバーで競合比4.9倍の性能
- 処理性能で考えたらコスパはNo.1
- デメリット
- ストレージが50GBとやや少ない
単月契約の最安値で選ぶならこのVPS
単月契約の最安値KAGOYAクラウド VPS 2コア/2GB/25GBプラン
キャンペーン
Amazonギフト 1,000円分キャッシュバックキャンペーン(有効期限:2024.12.31まで)
- Gitlabテンプレートの有無
- ○
- 長期利用を含めた料金
- ¥660
- プランアップグレードの可否
- ⚪︎
なぜこのプランがベスト?
とりあえず、短期間OSS版のGitlabをVPSで運用してみたいという方は単月契約で最安値ののKAGOYAクラウド VPS「2コア/2GB/25GBプラン」がベスト。
ストレージが30GBしかない、長期利用割引がないというデメリットがありますが、「ストレージ容量が同じかそれ以上であれば、プラン・ダウングレードもできる」という高い自由度も嬉しいポイントです。
また、日次課金にも対応しているため「とりあえずどんなものをかを試す」というのもありです。
メリット・デメリット
- メリット
- 単月契約だが十分にコスパは高い
- クラウドに近い拡張性で、長期的に使う際に使い勝手が良い
- デメリット
- ストレージが30GBと少ない
- 長期利用割引がない
大きなファイルを管理するならこのVPS
ストレージが最大シンVPS 2GBプラン
なぜこのプランがベスト?
Gitlabで大きなファイルを保存したり、大量のレポジトリを管理するなら、ストレージ容量が比較プラン中最大で、ストレージの1GB単価が安価なシンVPSがおすすめ。
Gitlabで大容量ファイルを保存すると、I/OパフォーマンスやCPU負荷が高くなってしまいますが、シンVPSは最新のハイスペックサーバーで運用されていて、競合の4倍高速(シンVPS調べ)なサーバーなので、安心して使うことができます。
月額単価が高く、3ヶ月の最低利用期間がある点がネックですが、大容量ファイルを保存するならファーストチョイスでしょう。
メリット・デメリット
- メリット
- 最新のハイスペックサーバーで競合の4倍高速
- ストレージが150GBと比較プラン中で最大
- デメリット
- 3ヶ月の最低利用期間がある
レポジトリの容量が大きい場合はストレージも重視しよう
レポジトリ単位のストレージ制限や、ファイルサイズ制限を解除できるというのも、Gitlabをセルフホストするメリットの一つ。
その場合は、ストレージ容量が大きいVPSを利用する必要があり、VPS選びの際も「ストレージのGB単価」という別の視点も必要です。
【2024年版】とにかく大容量ストレージ!なVPSサービスを徹底比較!ベストはこれだ!
自社クラウドストレージやデータ保存に最適な大容量ストレージのVPS。一言に大容量と言っても、サーバースペックも多様で選び方が難しいのも事実。本記事では、2024年版の最新情報をもとに、ストレージ容量だけでなくコア数・メモリ・、追加ストレージオプションなど複数側面から、ベストなVPSを検証します。
Gitlabを簡単構築できるVPSのよくある質問
VPSでGitlabを運用する際、SSDストレージはどれくらいあると良い?
Gitlabで管理するレポジトリの数やファイル数、ファイル容量によって異なりますが、最低でも30GB以上はあったほうが良いでしょう。
大容量ファイルの保存をしたり、膨大な数のレポジトリを管理したり、CI/CDで大量のサイトをホストするのであれば、100GB以上のストレージが付与されているVPSがおすすめです。
テンプレートからインストールしたGitLabにRunnerをインストールできる?
デフォルトのGitlabテンプレートにRunnerが含まれているかどうかは、VPSサービスごとに違いますが、コマンドラインから「GitLab Runner」を追加できます。
例えば、GitlabテンプレートのベースOSがUbuntuの場合は下記の通りです。
curl -LJO "https://s3.dualstack.us-east-1.amazonaws.com/gitlab-runner-downloads/latest/deb/gitlab-runner_amd64.deb"
dpkg -i gitlab-runner_amd64.deb
Runnerのインストールができたら、Gitlabの管理画面からRunnerを登録すればOKです。
参考: https://docs.gitlab.com/runner/install/linux-manually.html
GitLabをVPSで運用する場合、データバックアップはできる?
Gitlabにはバックアップコマンドが用意されているため、VPSサーバー上でコマンドラインからGitlab全体のバックアップを作成することができます。
gitlab-rake gitlab:backup:create
cronと組み合わせることで、定時バックアップも可能ですし、プログラムを組めば、クラウドストレージなどに同期させることも可能です。
このガイドで紹介したVPS
「時間料金」「豊富なテンプレート簡単立ち上げ」など、他社サービスに先行してVPSをより使いやすくしたVPSサービス「Conoha VPS」。登録アカウント数が55万人を突破し、名実共に国内VPSベンダーの中でも人気上位VPSとなっています。
国内大手サーバーベンダーのカゴヤが手がけるVPSサーバー「KAGOYAクラウド VPS」。月額550円のハイコスパプランから12コアvCPUのハイスペックプランまであり、拡張性も高いことからライトユースから本格利用まで幅広く対応できます。
国内人気レンタルサーバー事業者エックスサーバーが手がけるVPSサービス「XServer VPS」。後発サービスならではの、豊富な機能とハイスペックなサーバーが魅力です。