【2024年版】クラウド・ストレージOSS「Nextcloud」を簡単構築できるVPSサービスを徹底比較!
大手クラウドストレージよりも自由があり、使い方次第でコストを数分の一まで削減できるクラウド・ストレージOSS「Nextcloud」。構築が意外と手間ですが、「秒で構築」も可能なVPSサービスを比較します。
更新日: 2024.1.25公開日: 2023.11.1
目次
Nextcloudを「秒」で構築できるVPS プラン一覧
本ガイドは、以下のサービスを比較・検証し、おすすめを作成しています。各プランの価格は、現在のキャンペーンやクーポンを適用する前の価格です。
「Nextcloud(ネクストクラウド)」とは?
Nextcloud(ネクストクラウド)は、オープンソースのクラウド・ストレージアプリでサーバーにインストールすることで、Google DriveやDropboxのようなクラウドストレージを自分でホストすることができます。
上の画像は、Nextcloudのメイン画面ですが、見た目的にも大手クラウドストレージに近く、使い勝手も同様。頻繁にアップデートがあり、機能がどんどん追加されています。
Nextcloudを使うメリット
Nextcloudを使う最大のメリットは、クラウドストレージの利用コストの削減です。
大手クラウドストレージは、「ユーザー数 x 月額料金」の料金がかかるため少人数ならそこまで大きなコストになりませんが、100人を超えると年間で数十万円になり、意外と大きなコストを生みます。
VPSであれば、人数が増えてもストレージ容量さえ残っていれば月額料金は同じなので、最大で大手クラウドストレージの1/10程度のコストで運用することも可能です。
NextcloudはVPSでホストする方が良い理由
Nextcloudはレンタルサーバーでも運用可能なほど軽量なOSSで、実際に幾つかの国内レンタルサーバーでもNextcloudの簡単インストールに対応しています。ただ、あえてVPSを選ぶのはアップグレードできるプランが幅広いという点です。
レンタルサーバーではプランは5つほどですが、VPSなら10個以上のプランを用意するサービスがほとんどなため、規模に合わせて細かいスペック調整が可能です。レンタルサーバーの最上位プランになるとVPSのミドルグレードくらいのコストがかかるため、コスト削減にもなります。
また、規模が大きくなってアクセスするユーザーが増えると、サーバーへの負荷も大きくなってレンタルサーバーで運用が難しくなる可能性があります。
実際にNextcloudを5年近く自社クラウドストレージとして運用している筆者の体感では、レンタルサーバーで運用できるのは10人程度まで。それ以上なら確実にVPSがベストです。
Nextcloudをセルフホストする際の推奨スペック
Nextcloudはレンタルサーバーでも運用可能なくらい軽量なOSSとなっているため、推奨スペックもかなり低め。
System requirements | Nextcloud
上記のページによると最低・推奨スペックは下記の通りになります。
項目 | 最低スペック | 推奨スペック |
---|---|---|
vCPUコア | - | - |
メモリ | 512MB | 1GB |
ストレージ | - | - |
PHPバージョン | 7.3, 7.4, 8.0 | 8.0 |
基本的にはPHPさえ動いていれば問題ないというレベルですが、実運用をしている筆者の実感からすると、最低メモリの512MBでは動作が重くなるので、できれば推奨スペックの1GBメモリ以上が欲しいところ。あとは、同時アクセスするユーザー数がどれくらいいるかで変わってきますが、この辺りはプランアップグレードで対処すれば良いでしょう。
Nextcloudを簡単セルフホストできるVPSを選ぶ際のポイント
- Nextcloudテンプレートの有無
管理画面から一発でNextcloudサーバーを立ち上げできるか?
- 長期利用を含めた料金
長期契約も含めてプランが大手クラウドストレージよりも安くなるか
- GBあたりの単価
ストレージとして使うため、GBあたりの単価が安いほど良い
Nextcloudはインストーラーから簡単インストールが可能ですが、MySQLなどデータベースの構築もあるため、NextcloudテンプレートがあるVPSを選びましょう。トラブルも少なく、数クリックでNextcloudサーバーが構築ができます。
スペック面では、本記事ではNextcloudの推奨スペック以上の2GBメモリのVPSプランで比較をしていますが、これはVPSでは2GBがもっとコスパが良いためです。一つ下の1GBプランにしても100円程度しか料金は変わらないため、2GBプランがオススメです。
VPSはプラン変更が可能なので、規模に合わせて後からアップグレードするとして、2GBメモリのVPSプランは「スタートプラン」として考えましょう。
クラウドストレージが一般的なVPSサーバーと違うのは、長期利用するケースがほとんどということです。急成長中の企業は別として、一般的な会社は年に数十人もユーザーが増えることは多くないですから、同じプランを1年以上使うことが多くなります。そうなると料金は長期利用契約時の料金で比較すべきでしょう。
また、Nextcloudはクラウドストレージなので、ストレージのGB単価も重要。ストレージがなるべく安く、スペックが高いプランを選ぶのが、低コストで安定運用するコツです。
大人数で使うならストレージ容量も重要
Nextcloudを会社などで使う場合、一人当たり5GB程度の割り当てでも、5人で25GB、30人で150GB以上のストレージ容量が必要になります。一人当たりの割り当て容量を大きくすると、さらに必要です。
もし、5人以上でセルフホストのNextcloudサーバーを使うのであれば、「ストレージのGB単価」という別の視点も必要になるため、ストレージ容量が大きいVPSも並行して検討しましょう。
【2024年版】とにかく大容量ストレージ!なVPSサービスを徹底比較!ベストはこれだ!
自社クラウドストレージやデータ保存に最適な大容量ストレージのVPS。一言に大容量と言っても、サーバースペックも多様で選び方が難しいのも事実。本記事では、2024年版の最新情報をもとに、ストレージ容量だけでなくコア数・メモリ・、追加ストレージオプションなど複数側面から、ベストなVPSを検証します。
ビジネスで使うなら「SLA」も重要
ビジネスでNextcloudを使う場合は、ファイルを喪失するリスクを最低限にするべきです。
VPSサーバーはどんなトラブルで突然落ちるかがわからないためバックアップが必須ですが、それとは別に「ホスト自体が落ちない = 常に使える」というのも非常に重要です。
一部のVPSサービスでは、「SLA(Service Level Agreement、サービス品質保証制度)」を設定しており、VPSサービスがダウンした際に補償をしてくれます。
データ復旧を保証してくれるわけではないですが、「SLAを提供するVPS = ダウンしない自信があるVPS」とも言えるため、ビジネスで使う場合はSLAもチェックしましょう。
【2024年版】なぜ安心?VPSサーバーの「SLA」の意味と対応サービスまとめ
サーバーの稼働率を保証するSLA(サービス品質保証制度)について解説。SLA対応VPSサービスも比較します。
ベスト「Nextcloud」VPSはこれ!
バランス・コスパで選ぶならこのVPS
バランスとコスパがベストConoHa VPS 2GBプラン
なぜこのプランがベスト?
ベストプランはConoHa VPSの2GBプラン。スペックも3コア・2GBメモリと十分で、何よりもストレージが100GBと大きいのが嬉しいポイント。ユーザーあたり10GBで10人をで使えるため、一人当たりのコストは50円未満と、ほぼ最強なNextcloud用VPSです。
ConoHa VPSは長期利用契約をしていても、差額を支払うことでプランアップグレードが可能なため、安心して長期利用できます。
メリット・デメリット
- メリット
- キャンペーン時に長期利用契約で500円未満と驚異的な低価格
- ストレージが100GBと多い
- GB単価も最安値
- デメリット
- 単月契約が高い
処理性能で選ぶならこのVPS
処理性能がベストXServer VPS 2GBプラン
なぜこのプランがベスト?
処理性能で選ぶならXServer VPSの2GBプランがベスト。最新のAMDサーバーに収容しているため「競合比4.9倍の性能(XServer調べ)」なため、競合VPSサービスの2つくらい上のプランと同等の処理性能があります。
ストレージは50GBと多くないため、2GBプランにストレージ拡張オプションをつけて運用するの◎。
メリット・デメリット
- メリット
- 最新のAMDサーバーで競合比4.9倍の性能
- 処理性能で考えたらコスパはNo.1
- デメリット
- ストレージが50GBとやや少ない
単月契約の最安値で選ぶならこのVPS
単月契約の最安値KAGOYAクラウド VPS 2コア/2GB/25GBプラン
キャンペーン
Amazonギフト 1,000円分キャッシュバックキャンペーン(有効期限:2024.12.31まで)
- Nextcloudテンプレートの有無
- ○
- 長期利用を含めた料金
- ¥660
- GBあたりの単価
- ¥26
なぜこのプランがベスト?
とりあえず、NextcloudをVPSで運用してみたい、ユーザー数が急拡大しそうという場合は、単月契約の最安値のKAGOYAクラウド VPS「2コア/2GB/25GBプラン」がベスト。
スペックがやや弱く、長期利用割引がないというデメリットがありますが、クラウドに近い拡張性で細かいカスタマイズができる点と、「ストレージ容量が同じかそれ以上であれば、プラン・ダウングレードもできる」という自由度も嬉しいポイントです。
メリット・デメリット
- メリット
- 単月契約で競合の長期利用契約に近い価格
- クラウドに近い拡張性で、長期的に使う際に使い勝手が良い
- デメリット
- コア数が2コア
- ストレージが25GBと少ない
- 長期利用割引がない
ミニマムスタートなら「一旦、最安値VPSで」という選択肢も
Nextcloudは、利用する以上常時VPSサーバーを稼働させる必要があります。一方で、どれくらいの容量を、どれくらいの頻度で使うのかは「使ってみないとわからない」という側面もあります。
複数人数で使わないような、ミニマムスタートの場合は、最安値VPSでNextcloudを始めてみるのも一つの選択肢です。
低コストなので、合わなかったらすぐに解約すればコストも最低限で済みます。
Nextcloudを「秒」で構築できるVPSのよくある質問
Nextcloudをホストするなら、VPSとレンタルサーバー、どちらが安全?
サーバー自体のセキュリティの高さは設定に依存しますが、デフォルトの状態でセキュリティが高いのはレンタルサーバーです。
レンタルサーバーは、サービスによってはWAFや改竄検知機能などが搭載されており、簡単にセキュリティを高めることができます。
VPSでも同様のことはできますが、コマンドラインからのインストールや設定が必要で、Linux OSの知識が必要になります。
VPSのNextcloudテンプレートイメージを使った場合でもアップグレードはできる?
VPSのNextcloudテンプレートイメージは、Linux OSにNextcloudと関連するアプリケーションがインストールされている状態の「OSイメージ」ですので、アプリケーションのアップグレードなどはLinux OSに自分でインストールする場合と同条件です。
レンタルサーバーとVPS、Nextcloudをホストするならどちらが良い?
Nextcloudをホストするという観点で、レンタルサーバーとVPSを比較すると、以下のようなポイントがあるでしょう。
- レンタルサーバー: ストレージ容量が大きく価格が安いが、処理性能が低い
- VPS: 処理性能は高いが、レンタルサーバーよりかは高い
Nextcloudは比較的サーバー負荷が高めのOSSなので、VPSでホストした方が処理速度などの快適性は上がります。特に、10人以上のユーザーを管理する場合はVPSの方が安心です。
レンタルサーバーは価格が安く、簡単インストール機能があるサーバーであれば数クリックでインストールが可能な手軽さが魅力ですが、ファイル数が増えたり、バージョニングが増えてくると重くなりがちです。
NextcloudのVPSでストレージ容量を増やす方法
VPSでホストしているNextcloudのストレージを増やす方法は、
- VPSインスタンス自体のストレージを増やす
- 外部クラウドストレージと連携する
というどちらかになるでしょう。
VPSインスタンス自体のストレージを増やす場合は、ストレージが容量が多いプランにアップグレードするか、ストレージ追加オプションを使うのが通常です。ストレージ追加オプションの方が簡単ですが、GBあたりの単価が高くなりがちです。
外部クラウドストレージと連携する方法も簡単ですが、クラウドストレージはデータの一覧作成、読み込みだけでも課金されるケースがあるため、注意をしましょう。
このガイドで紹介したVPS
「時間料金」「豊富なテンプレート簡単立ち上げ」など、他社サービスに先行してVPSをより使いやすくしたVPSサービス「Conoha VPS」。登録アカウント数が55万人を突破し、名実共に国内VPSベンダーの中でも人気上位VPSとなっています。
国内大手サーバーベンダーのカゴヤが手がけるVPSサーバー「KAGOYAクラウド VPS」。月額550円のハイコスパプランから12コアvCPUのハイスペックプランまであり、拡張性も高いことからライトユースから本格利用まで幅広く対応できます。
国内人気レンタルサーバー事業者エックスサーバーが手がけるVPSサービス「XServer VPS」。後発サービスならではの、豊富な機能とハイスペックなサーバーが魅力です。