無料でどこまでできる?2020年にHerokuを選ぶメリット・デメリット
公開日: 2020.9.14
無料でどこまでできる?FaaS全盛期の2020年に、PaaSであるHerokuを選ぶメリット・デメリットをまとめました。
Herokuの無料プランを確認する
改めて、Herokuの無料プランの詳細を確認してみましょう。
項目 | 詳細 | 上限 |
---|---|---|
dyno | サーバーの起動時間(分) | 1,000dyno |
カスタムドメイン | 独自ドメインの適用 | 無制限 |
herokuドメインのSSL | アプリのherokuドメインにSSLを適用 | ○ |
カスタムドメインのSSL | 独自ドメインにSSLを適用 | x |
常駐サーバーの設置 | functionベースでない常駐サーバーの設置 | ○ |
無料でも普通に使えることがわかります。
現在のサーバーレスの流れは、FaaS(Function as a Service)で、つまり機能だけを提供する流れになっています。FaaSの先祖的なAWSのLambdaをはじめ、やGCPのCloud Functions、vercel(now.sh)などがこの流れにあります。
その意味では、HerokuはPaaS(Platform as a Service)なので、今(2020年現在)となってはちょっと古いイメージですが、PaaSだからこそのメリットもあります。
このHerokuならではのメリットをプラスとするなら、Herokuの無料プランでサービスをサービスインしても問題ないでしょう。
Herokuを選ぶメリット
バランスが良く、プラットフォーム縛りが弱い
Herokuは、PaaSなので、物理サーバーは持っていない(管理しない)状態ですが、サーバー上での動作を前提にシステムを組めます。ここはシステムとしてはかなり重要で、Herokuをやめても、VPSや専用サーバーなどの別のサービスに移行がスムーズでスピーディ、しかも選択肢が多くあります。
一方で、現在流行のFaaSは、プログラム自体が強力なプラットフォーム縛りになので、実質FaaSサービスからFaaSサービスへの移行となってしまい、サーバーを選ぶ際の選択肢を狭くします。
つまり、
- レンタルサーバーよりも使える言語や機能が多い
- VPSよりもサーバー管理が楽
- FaaSよりも選択肢が広い
ということで、FaaSが流れの現在でも、Herokuはメインプラットフォームとしてとてもバランスが良いのです。
その意味で、Herokuはまずは無料プランやHobbyプランでスタートして、満足しなかったら別のサービスに移ることが容易です。
コストメリットが実は高い
サーバーとしてのスペック単価で見ると、VPSなどのコンピュートインスタンスサービスに対してHerokuが割高であることは間違いありません。
ただし、最適化された環境や簡単なスケーリングなどの「管理コスト」と「安定性の保証」を考慮したら、Herokuのコスパは高いと言えます。
特に、専属のバックエンドエンジニアを置いていないサービスでは、よりコスパが高くなるでしょう。
転送量課金がなく料金が明瞭
最近は、Webでもアプリでもトラフィック(転送)の量と頻度が増える傾向になります。
FaaSでは、functionの起動回数だけでなく、プログラムの上下転送に対しての課金も発生します。その意味で、FaaSは予算が組みづらい部分があり、予算はある意味青天井です。
その点、Herokuは基本的には「サーバースペック」「立ち上げ時間(dyno)」「機能」にだけ課金するため、料金が明瞭で予算組みがしやすいのもメリットです。
また、基本的には月額課金制なので、サーバーコストが青天井にならないのも、2020年となってはメリットの一つ。FaaSなどのクラウドサーバーは、基本的にコストは青天井なので、不正アクセスやサーバーへの攻撃に対しても「等しく課金」され、まさに青天井で課金が増え、クラウド破産を引き起こすケースまであります。
Herokuを選ぶデメリット
ワンストップで構築するのが難しい
Herokuは優秀なPaaSですが、Passでしかありません。アドオン機能はたくさんありますが、AWSやGCPのような「総合クラウドサービス」には、どうしても機能や拡張性で勝てません。
例えば、データベースはHerokuはPostgreSQLかRedisを選ぶことになりますが、AWSやGCPであれば、MySQLやOracleなど様々なデータベースが選択肢に入ります。
時間単位の課金ができない
クラウドサーバーやVPSは、時間単位での利用ができるため、瞬間的にインスタンスを増やしてアクセス増に対応してたり、一時的にバッチサーバーを起動したりと、利用範囲が柔軟です。
一方で、Herokuは時間単位の課金がなく、基本的には全て月額課金制なので、利用用途が絞られてしまいます。
公開サーバーとしては使い勝手が良いHerokuも、残念ながら様々な使い方ができるサーバーとは言えません。
Herokuの無料プランで出来ることと、2020年にHerokuを選ぶメリット・デメリットを見てきました。
HerokuはHerokuなりの良さがあり、無料プランもスタートするには十分な内容となっているため、2020年でもHerokuは十分に使う価値がありでしょう。
価格は記載がある場合を除き、すべて税込みです。
関連キーワード
サーバレスの新着記事
- サーバレスCloudflare R2の料金体系・無料枠まとめ 2024.8.21
- サーバレスCloudflare R2をCyberduckで使う方法 2024.7.31
- サーバレスAIの学習ボット・クローラーからサイトを守るメリットとブロックする方法 2024.7.19
- サーバレスCloudFlare Pagesのビルド環境の違い 2024.5.9
- サーバレスCloudflare D1の料金体系・無料枠まとめ 2024.3.25
- サーバレスCloudflare PagesでNuxt3のビルド時に「ENOENT: no such file or directory」エラーの対象方法 2024.3.21
- サーバレスGitlab CLIでpush時に「glab auth not found」となった際の対処方法 2024.3.19
- サーバレスCloudFlare Workers AIの料金体系・無料枠まとめ 2024.2.2