万が一に備えて!共有レンタルサーバーの冗長化する方法
公開日: 2022.4.26
Webサイトやサービスの継続的運用に重要な冗長化。今回は、格安なレンタルサーバーで冗長化ができるのか、どうやれば良いのかをまとめました。
冗長化とは?
冗長化は、万が一トラブルでサーバー・ネットワークが落ちてしまっても、他のバックアップでサイトをダウンさせずにバックアップで稼働させる仕組みのことです。
Webサイトを構成するのは、
- Webサーバー
- ネットワーク
の二つなので、どちらに対してもリスクヘッジをするのが冗長化のベストシナリオです。
Webサイト・サービスの冗長化の方法
Webサイトやサービスを冗長化する際は、
- 同一内容のサーバー(レプリケーション)を常時用意する
- サーバー・ネットワークダウンを検知する
- ダウン時にサーバーを切り替える
という流れをシステム的に組むことになります。
クラウドサーバーは冗長化に強い理由は、ワンストップでこれらの仕組みを組める点です。しかも、バックアップサーバーを複数台用意しても、クラウドの場合サーバーを停止しておけばコストがかからないため、大規模なサイト・サービスで冗長化するほど、コスパが高くなります。
レンタルサーバーでの冗長化は可能か?
以上の点の踏まえて、レンタルサーバーでの冗長化は可能かを検討してみましょう。
まず、レプリケーションを複数持つという点については、これは複数のレンタルサーバーを契約すれば良いので可能です。同一内容にするために、プログラムやデータベースの同期処理の仕組みを考える必要がありますが、それさえクリアできれば問題ないでしょう。
続いて、サーバー・ネットワークダウンの検知についてですが、これはSite 24x7などの外部サービスを使えば比較的簡単に用意できます。
もしくは、オンラインでcron処理をするGoogle Cloud Platformの「Cloud Scheduler」を使って、プログラムを走らせるのも良いでしょう。
最後のダウン時のサーバーの切り替えについては、
- DNSレコードを切り替える
- ロードバランサーの代わりにエッジコンピューティングを使う
というのが現実的でしょうか。
DNSレコードの切り替えだと、ISPや端末にレコードをキャッシュされてしまうと意味がないので、Cloudflare Workersのようなエッジコンピューティングを使うのが最適解と言えそうです。
ちなみに、Cloudflareには、DNSベースのロードバランサー・サービス(月額5ドル〜)もあります。
レンタルサーバーの冗長化はどれくらいのコストでできるか
最後に実際に冗長化をする上でのコストを考えてみます。
まずレンタルサーバーについては、メイン、サブ、バックアップの3台構成で、それぞれ違うサービスを利用するものとします。ネットワーク障害を考えると、運営会社が別のレンタルサーバーを選ぶのがベストですので、
- さくらのレンタルサーバー(月額131円〜)
- スターサーバー(月額139円〜)
- ロリポップ(月額99円〜)
の3つのレンタルサーバーをレンタルするとします。ここでのコストは300円前後からスタートというイメージです。
続いて、サーバー・ネットワークダウンとダウン時にサーバーを切り替えですが、こちらは実はCloudflare Workersで両方を一気にできます。
やり方としては、Cloudflare Workersにproxyさせるやり方で、オリジンのレスポンスコードやステータスで取得するサーバーを自動で切り替えてスクリプト組みます。
Cloudflare Workersは、無料で毎日10万レスポンスまで無料なので、1ページあたりのリクエストが5だとして、毎日2万PVまで処理できます。それを超える場合は先ほど紹介したDNSベースのロードバランサー・サービスも検討した方が良いでしょう。
ここまでで合計800円ほど、リクエストにもよりますが、月に2,000円もあれば冗長化ができると思って良さそうです。
静的サイトの冗長化をするなら、クラウドを活用しよう
もし静的サイトを運営しているのであれば、レンタルサーバーよりもクラウドサーバーのオブジェクトストレージを使った方が簡単で安上がりです。
AWSのS3、GCPのCloud Stoage、AzureのAzure Storageの3つに同じファイルをアップロードしてホスティングしておけば、それぞれのダウン確率が99.9%ほどなので、ダウンする可能性はほぼ0になります。
クラウドののオブジェクトストレージなら、Webサイトくらいのデータ量なら月額料金は微々たるものなので、安心です。
価格は記載がある場合を除き、すべて税込みです。
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