静的サイトのホスティングサーバーを選ぶ際のチェックポイント10選
公開日: 2021.1.14
静的サイトのホスティングサーバーを選ぶ際にチェックしたいポイントをまとめました。軽量な静的サイトでも、意外と注意すべき点が多くあります。
サーバーの距離は遠くないか?
静的サイトのホスティングサービスで、無料で高性能なサービスはほとんどが海外のサービスなので、当然サーバーは海外にあります。
Netlifyなどのように、独自でCDNを利用している場合は良いですが、ホスティングサーバーが海外にあってCDNを使っていないと、物理的な距離の影響でページ読み込みのレスポンスが遅くなるので注意しましょう。
この点は外部CDNサービスが使えれば、CDNのエッジサーバーから配信することで解決可能です。
外部CDNは使えるか?
物理サーバーが海外にあっても、Cloudflareなどの外部CDNサービスと組み合わせて使うことができれば、物理的な距離の問題は解決できます。
ですので、ホスティングサービスが外部のCDNに対応しているかは意外と重要です。
通信量の無料枠は十分か?
静的サイトをホスティングするサービスは、
- ビルド時間
- 転送量
で制限をかけていることがほとんどです。
サイトへのアクセスが小さい時は転送量を気にする必要はないですが、アクセスが増えてくると次第に転送量が無料枠に収まらなくなってきます。
静的サイトジェネレータで作成したサイトなら月間数10万UUを超える規模にならない限り転送量は無料枠でも十分ですが、SPAサイトや動画を配信するサイトなど重量級のサイトとなると、転送量はグッと伸びてきます。
このあたりはCDNと組み合わせて、なるべくホスティングサーバー側からの転送を抑える工夫をするのがベストです。
リダイレクトができるか
静的サイト専用ホストの場合、意外と出来ないのがリダイレクトです。GCPのCloud Storage、AWSのS3、GitHub Pages、Gitlab Pagesなど、リダイレクトが使えない、もしくは他の有料課金サービスと組みわせて使う必要があることがほとんどです。
リダイレクトが使えないと、SPAなどのJavascriptでルーティングするサイトで困りますし、「最初はサービス側のサブドメインで運用して、将来的に独自ドメインに移行する」ということも難しくなります。
ビルドで使える言語は揃っているか?
静的サイトをホスティングする場合、現在ではサイト・アプリをビルドするCI/CDが付属しているケースが増えてきました。付属しているCI/CDを使う場合は、利用しているフレームワークの言語に対応しているかが大事になります。
Gitlab Pagesのように、DockerベースのCI/CDを選ぶと、自分でコンテナイメージを用意すれば、どんな言語でも対応できるのでオススメです。
ビルドの速度は速いか?混雑していないか?
静的サイトジェネレータを使っていると意外と気になるのがビルドの速度。Netlifyなどの人気サービスになると、連続してビルドをするとWaiting状態になってしまって、中々ビルドしてくれないことがあって、意外とストレスです。
頻繁に更新するようなサイトを運営している場合は、ビルドの速度や混雑具合、不具合情報なども事前にチェックしておくと良いでしょう。
Basic/Digest認証はできるか?
レンタルサーバーでは当たり前のようにできるBasic/Digest認証ですが、静的サイトホスティングサービスの場合、ほとんどがBasic/Digest認証が使えません。
NetlifyはBasic認証が使えますが、有料プランになるので、「結局、レンタルサーバーと同じくらいの料金だった」ということも。
もし、認証が必要なサイトをホスティングするのであれば、Basic/Digest認証があるのかもチェックしましょう。
転送量の課金単価は高くないか?
多くの静的サイトホスティングサービスが「最初のxxGまでの転送は無料で、以降は課金」とする、いわゆるフリーミアムモデルで運営されています。
そこで大事なのが、実際に課金されることになった時の単価です。Netlifyなどの新興サービスは単価も安く設定されていますが、GCPやAWSなどの大手クラウドの場合はここがかなり高めに設定されています。
サイトが大きくなってから移転すると手間なので、最初から転送量課金の単価を比較してから選ぶようにしましょう。
トラブルは多くないか?
GCPのCloud Storage、AWSのS3などの大手クラウドのホスティング機能付きストレージは、障害率が圧倒的に低いため安心して使えますが、新興サービスの場合、意外とトラブルがあったりします。
新興サービスでも本番公開サーバーのトラブルは少ないですが、よくあるのがステージングから本番にデプロイする際の遅延トラブル。ここが頻発するサービスは、「デプロイしたのに公開されない」というストレスを抱えるので、なるべく避けた方が良いでしょう。
その意味では、単純なストレージであるGCPのCloud Storage、AWSのS3の方が、即本番公開なのでトラブルが少なくて安心です。
共有レンタルサーバーのが安くないか?
最近のクラウドブームの影響か、何でもかんでもクラウドにする方が多いようですが、静的サイトホスティングについては、コスパが一番良いのは共有レンタルサーバーです。
PHPなどの動的ページでなければ、100円台の共有レンタルサーバーでも高速レスポンスですし、転送量も数百GB〜数TB規模と、静的サイトホスティングサービスよりも圧倒的に大きいため、コスパが高くなります。
静的サイトホスティングサービスには独自の機能や良さがありますが、サクセスが増えるほどにコストがかかる構造なので、予算にあっているのか、共有レンタルサーバーでも十分ではないのかをしっかり確認してから契約するようにしましょう。
静的サイトのホスティングサーバーを選ぶ際のチェックポイントを見てきました。
静的サイトのホスティングサーバーは無料で始められるところが多く、移転もカジュアルに出来るので気軽に乗り換えが出来ますが、課金される規模になってくると意外と移転先を探すのが大変だったりするので、今回あげたポイントを確認しながら、ホスティング先を選んでみてください。
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価格は記載がある場合を除き、すべて税込みです。
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