VPSサーバーの「時間課金」の仕組みをわかりやすく解説
公開日: 2024.5.23
VPSサーバーの「時間課金」の仕組みをわかりやすく、具体的に徹底解説。この記事だけでVPSの課金体系を理解できます。
VPSの課金形態は「時間」「日次」「月次」の3パターン
VPSサーバーの課金タイプには以下の3種類があります。
タイプ | 課金ターム | 課金額 |
---|---|---|
時間 | 作成後 | インスタンス作成後の時間 x 1時間あたりの料金 |
日次 | インスタンス作成後から当日終わりまで | 1日あたりの料金 |
月次 | 作成から当月終わりまで | 月額 |
レンタルサーバーや一般的なVPSでは月初から月末まで使う権利を支払う「月額払い」がメインですが、サーバーの作成・削除が簡単に行えるVPSでは、サービスによっては時間単位や一日単位での課金にも対応しています。
「時間課金」は全てのVPSサーバーで採用されている課金方式ではないですが、
- テスト用の短時間利用
- クラスタで一時的にサーバー増強
など短期的に使う際に、月額を支払わず少額で使えるというのが最大のメリットです。
VPSサーバーの「時間課金」の仕組み
VPSサーバーの「時間課金」の仕組みを理解する上では、知っておきたい3つのポイントがあります。
- 課金は「シャットダウン」ではなく「インスタンスを作成した状態」の時間
- 時間課金の単価は月額料金よりも高いことがある
- 最低利用金額を設定しているケースがある
「インスタンスを作成した状態」の合計時間に課金する
そもそも、時間課金はクラウドサーバーで広がった課金形態です。
クラウドサーバーでは、「使った分だけ課金」されるため、仮想インスタンスを起動している間だけ課金されます。逆にいうと、シャットダウンしていれば課金されないということです。
VPSサーバーの「時間課金」も似たような仕組みに思えますが大きな違いがあります。それは、「インスタンスを作成した状態の合計時間で課金される」という点です。
表にして比較してみましょう。
タイプ | VPS | クラウド |
---|---|---|
インスタンスデータあり/起動中 | 課金される | 課金される |
インスタンスデータあり/シャットダウン | 課金される | 無料 |
インスタンスデータなし | 無料 | 無料 |
VPSの時間課金は、インスタンスデータを作成した時点から発生し、「インスタンスデータを削除するまで発生し続ける」ということになります。
クラウド同じ感覚で「シャットダウンをしておけば良い」と思っていたら、しっかり費用と取られていたとならない様に注意しましょう。
時間課金の単価は月額料金よりも高いことがある
これはサービスにもよりますが、1時間あたりの課金単価は、月額料金を月間時間(多くは720時間)で割った数字よりも高めに設定されていることがあります。
ただし、時間課金の場合でも「月額最大XXX円」という設定がされている場合があります。これは、上限金額までは「作成状態の時間 x 時間単価」で積み上げていき、上限金額に到達したらそれ以上の課金はしないという仕組みです。
クラウドの場合は月額上限はなく「時間単価 x 起動時間」で課金されますが、VPSは月額上限制度があるため、コストを見積りやすいというメリットもあります。
最低利用金額が設定しているケースがある
これもサービスよりますが、VPSサービスの中には「最低利用金額」が設定しているケースがあります。
最低利用金額は、「課金をするなら最低XX円」というケースが多く、例えば「最低課金額が50円」であれば、1時間あたり5円のインスタンスを一瞬でも起動させると、それ以上使わなくても50円課金が確定するということになります。
そのため、仮に1時間あたり5円のインスタンスを1時間しか対川なった場合は、時間単価が実質50円になってしまうため注意しましょう。
「時間課金」をうまく使ってVPSコストを削減しよう
Webサーバーのように常時起動している必要がある場合は別ですが、開発用途やテスト用のVPSサーバーは常時起動している必要がないケースがあります。
そうした場合は、「時間課金」を利用することでコストを大幅に課金することも可能です。
どれくらい無駄にしているかを理解しよう
サーバーレンタルにおいては「時間」というのは大きな単位です。
例えば、業務時間だけVPSサーバーを使う場合、月間の利用時間は「8 x 22 = 176時間」程度でしょう。月の合計時間は720時間程度なので、実は「176 / 720 = 0.24」で1/4程度の時間しか使っていません。
この使っていない分を削減するだけで、コストを大幅に削減できるのです。
スナップショットで「作成状態のインスタンス」を回避
ここで問題なのが「VPSは作成状態のインスタンスに対して課金する」という仕組み。シャットダウンしておいても課金されてしまうため、使っていない時はインスタンスを削除する必要があります。
この状態を回避するために、インスタンスを削除する前に、スナップショットでサーバーの状態を保存しておきましょう。スナップショットは「GB / 月」での課金になりますが、一般的なWebサーバーであれば、月間のコストは50〜100円程度です。
スナップショットを取っておけば、次に使うときはスナップショットから簡単にシャットダウンした時と同じ状態のサーバーを呼び出せるので、ちょっとした手間が増えるだけです。
価格は記載がある場合を除き、すべて税込みです。
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