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クラウド・サーバーレス・データベースサービスまとめ

更新日: 2023.2.3公開日: 2020.4.13

クラウド・サーバーレス・データベースサービスまとめました。SQL系、NoSQL系、無料枠の詳細などを確認することが出来ます。

編集ノート: SERVERSUSでは、パートナーリンクからコミッションを得ています。コミッションが記事の意見や、サービスの評価に影響を与えることはありません。

SQL系

Amazon Aurora Serverless

AmazonのクラウドサービスであるAWSのデーターベースサービス・Amazon Auroraと組み合わせることで、サーバーレスDBとして利用することができます。DynamoDBとは違いはSQL互換というところ。MySQL・PostgresSQLと互換があります。

Amazon Aurora Serverless

ただし、サーバーレスで使えるとは言っても、DB本体であるAmazon Aurora自体ははインスタンスを立ち上げるデータベースサーバーなので、料金はかなり高めの設定です。AWS内でサービスを完結させているのでないならば、選ぶメリットはあまりないかもしれません。

なお、Amazon Auroraに無料枠がないため、無料で使うことが出来ません。

Azure SQL Database サーバーレス

Microsoftのクラウドサービス・Azureのサーバーレス・データベースサービス。Cosmos DBとの違いは、SQL互換ではなくしっかりとSQLサーバーであること。サービスの料金体系もドキュメントの保存・読み書き単位ではなく、サーバーへのリクエスト負荷(1 秒あたりのコンピューティング使用量)で課金される形式になっています。

Azure SQL Database サーバーレス

Azure SQL Database サーバーレスには無料枠はありません。

Cloudflare D1

Cloudflareのエッジサーバーで稼働するSQLデータベースがCloudflare D1。ベースとなる技術はSQLiteなのでSQL系のデータベースとしてはやや機能が弱いですが、無料から使えてしかもレスポンスが高速ということで話題になっています。

Cloudflare D1は同社のエッジコンピューティングサービス「Cloudflare Wokers」と組み合わせてのみ使うことが出来ます。

データベースとしての機能が弱いとはいえ、世界中のCloudfalreエッジサーバーにレプリケーションが自動作成され、しかも高速で無料から使えるというのは大きなポイントでしょう。

Cloudflare D1

Heroku Postgres

クラウド・アプリケーション・プラットフォーム・Herokuのアプリ・プラグインとして使えるPostgresベースのデータベースサービス。DBサーバーの存在を意識せずに使えるサーバーレスなDBで、無料から使えます。

Heroku Postgres

エンドポイントに向けて使うというよりかは、Herokuアプリ内で接続する使い方になりますが、例外的にAWS PrivateLinkを経由してAWSとリンクさせたり、Heroku Connectと使って、SalesForceとリンクさせることも出来ます。

無料枠は、データ件数単位で1万行までとなっています。

項目無料枠
ストレージ容量1万行まで
ドキュメントの書き込み無制限
ドキュメントの読み取り無制限
データ転送(下り)無制限

CLIツールから操作ができるなど当然ですがHerokuとの親和性が非常に高いため、Herokuでアプリを公開しているなら、ファーストチョイスでしょう。

NoSQL系

AWS DynamoDB

AWSのNoSQLサービス。DynamoDB自体はサーバーレスではありませんが、同じくAWSのコード実行環境・AWS Lambdaと組み合わせることでサーバーレスDBとして動かすことができます。

Amazon DynamoDB

DynamoDB、Lambda共に無料枠があり、無料から使うことが出来ます。DynamoDBの無料枠は下記の通り。

項目無料枠
ストレージ容量25GB
ドキュメントの書き込み従量課金
ドキュメントの読み取り250万/月
データ転送(下り)1GB/月

AWSという強力なバックエンドでスケーラブルにDBを運用できるのは大きなメリットですが、DynamoDBとLambdaという2つのサービスについて習得しなければならない点が大きなデメリットです。

MongoDB Atlas

NoSQLのOSS・MongoDBの開発元が提供するNoSQLサーバーレス・データーベースサービス。Googleのクラウド仮想サーバー・Google Compute EngineなどでMongoDB仮想サーバーを立てるタイプで、各クラウドサーバーのインスタンスクラスに応じて課金されます。無料から使えるのが大きな特徴。

MongoDB Atlas

MongoDBの場合、ライブラリも充実しているので、MongoDB Atlasのエンドポイントに、Web・アプリから直接DBを叩けるので、DBを設定したらすぐに使える手軽さが大きなメリットです。

MongoDB Atlasの無料プランは、AWS、GCP、Azureの一部北米リージョンの512MBインスタンス(M0)で無料で使えます。ただし、リージョンからの下り転送については、課金対象です。また、コネクション

項目無料枠
ストレージ容量512M
ドキュメントの書き込み無制限
ドキュメントの読み取り無制限
データ転送(下り)従量課金

MongoDB Atlasの無料プランは、動作が重かったり、メモリの制限が厳しかったりするので、本番用途というよりかはお試し感覚かもしれません。

Firebase Cloud Firestore

Googleに買収されたFirebaseのサーバーレス・データベースサービス。買収後はGoogleのクラウドサービス・Google Cloud Platformファミリーとなっているため、GCPとの親和性も高く、独立したサービスとしても高機能です。

独自のNoSQLで、無料枠でも十分に使えるのが大きなメリット。Webやアプリのユーザーデータを同期させる機能が強力で、オフラインデータとの同期などに強みがあります。

Cloud Firestore | Firebase

Firebaseには、APIエンドポイントを叩いて使う「Cloud Firestore」とユーザーローカルDBと自動同期をする「Realtime Database」の二つがあり、それぞれ無料枠が異なります。共にNoSQL データベースです。

項目Cloud Firestore 無料枠Realtime Database 無料枠
ストレージ容量1GB1GB
ドキュメントの書き込み2万/日-
ドキュメントの読み取り5万/日-
データ転送(下り)10GB/月10GB/月

同じく無料で使えるFirebase Authenticationと組み合わせて、ユーザー関連のDBを構築するならまずはここがファーストチョイス。

Fauna

GraphQLのサーバーレス・データベースサービス。FaunaDBとも呼ばれています。サービス登録するだけで、すぐにデータベース付きのGraphQL APIサーバーが立てられる手軽さが売りです。

Fauna

項目無料枠
ストレージ容量5G
ドキュメントの書き込み150万/月
ドキュメントの読み取り300万/月
データ転送(下り)1.5GB/月

GraphQLが使えるサーバーレスサービスとしての手軽さは随一ですが、海外サーバーのため国内からのアクセスは若干遅めです。

データベースは、NoSQL系ですが、SQLユーザーでも使いやすい「Fauna Query Language(FQL)」という言語が用意されていて、コマンドラインからSQLライクに使うことも出来ます。

Microsoft Azure Cosmos DB

Microsoftのクラウドサービス・Azureのサーバーレス・データベースサービス。2020年3月に永久無料枠が発表され話題になりました。

Azure Cosmos DB

プロジェクトを立ち上げただけでエンドポイントが生成され、すぐに使うことができます。Cassandra、MongoDB、SQL、Gremlin、Etcdなど、複数のプロトコルに対応しているため、既存のDBからの移転が比較的容易で、かつ無料枠も充実しています。

無料枠の計算は、他のサービスとは異なり、保存領域(5GB)と、RU(Request Unit=要求ユニット)という特殊な基準で設定されています。1RUは1KBのアイテムを読み取るコストで、書き込み、読み取り、クエリ全てで消費します。無料枠は400RU/秒となっています。

項目無料枠
ストレージ容量5G
ドキュメントの書き込み400RU/秒
ドキュメントの読み取り400RU/秒
データ転送(下り)無制限

これから新しくサーバーレスDBを立ち上げるなら、ファーストチョイスにしても良いレベルです。

サーバーレス・データベースサービス まとめ比較表

サービス無料枠DBエンジンエンドポイントSQL互換
Amazon Aurora Serverlessなし独自エンジン
Azure SQL Databaseなし独自エンジン
Heroku Postgres1万行PostgreSQL
AWS DynamoDB25GB独自エンジン×
MongoDB Atlas512MBMongoDB×
Firebase Cloud Firestore1GB独自エンジン×
Fauna5GB独自エンジン×
Microsoft Azure Cosmos DB5GB独自エンジン

クラウド・サーバーレス・データベースを見てきました。

AWS、Google Cloud Platform、Azureなどの大手クラウドだけでなく、ほとんどのサービスで無料or永久無料で使えるので、サービスやプロダクトで採用する際には実際に使ってみて、レスポンスや使い勝手、アプリとの親和性などを考慮して最適なデータベースサービスを選んでみてください。


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