サーバーを契約する際はロケーションに気をつけよう
公開日: 2020.11.17
高速インターネットが当たり前の時代でも実は大事なのが「サーバーとクライアントとの物理的距離」。サーバーを契約する際はサーバーロケーションをどのように選べ良いのか、ポイントをまとめました。
レスポンスへの影響が大きいサーバーロケーション
サーバーを契約する際に、サーバーロケーションを気にしたことがありますか?国内業者のレンタルサーバーやVPSならほとんどが日本国内にデータセンターがあるため、あまり意識する機会がありませんが、海外VPSやクラウドサーバーだとサーバー契約時にサーバーロケーションを選ぶのが一般的です。
インターネット回線の高速化と、サーバー構築技術の進化で、我々がWebサイトを閲覧する際に「サーバーとの距離」を意識することはあまりませんが、サーバーとクライアント間の物理的の問題が解決した訳ではありません。
例えば、日本国内のユーザーに対してアメリカのサーバーで配信するWebサイトをする際は、物理的な距離が離れているため、それだけ300msほど遅延が発生します。
かつてのように3秒くらいで表示されるサイトがほとんどだった頃と違い、現在はサーバーからレスポンスが返ってくるまでは1秒以下は当たり前、そこからいかに100msでも短くするかという世界ですので300msの遅延は致命的なハンデキャップです。
現在は、かつてよりももっとサーバーの物理的な距離にこだわる必要がある時代になりつつあります。
メインユーザーとホストが同じ国なら対策は不要
とは言え、日本で運用しているサービスであれば、ユーザーの90%以上が日本ユーザーであれば、日本国内のサーバーを使っていることがほとんどでしょうから、基本的には対策は不要です。
そこから、
- 海外ユーザーが増えてきた
- 海外ユーザーにリーチしたい
- メインサーバーを海外ホストにしたい
という場合は、対策が必要になってきます。
クラウドの無料プランやVPSの格安プランは要注意
無料で使えるGoogle Compute EngineのAlways Free枠やVultrの格安プランなどは、ホストがアメリカなど海外のサーバーになっていることがほとんどです。
シンガポールなど日本との距離がまだ近い場合はマシですが、「無料だから」「格安だから」と言って、日本ユーザー向けにアメリカサーバーからホストすると、「遅いサービス」と見られてしまうこともあるので注意しましょう。
クライアントとサーバーの距離を近くする方法
マルチロケーション運用
大手サービスで採用されているのがマルチロケーション運用です。ユーザーの多い地域ごとにサーバーを契約して、なるべく近い距離のサーバーからサービスを提供します。
アマゾンのように「米国はamazon.com」「日本はamazon.co.jp」といった形で、明確にサービスが分けられる場合は、マルチロケーション運用が簡単に出来ます。
一方で、一つのサービスで多国展開する場合は、データの整合性を保つために高度な技術が必要です。
CDNによるエッジサーバーの利用
一つのオリジンサーバーから多くの国に「簡単かつ最短距離」で配信される方法として最近注目されているのでCDNのエッジコンピューティングです。
CDNのエッジサーバーは各国ユーザーのすぐ近くにあるため、全てのエッジサーバーで同じプログラムを走らせることで「常に同じコードで、最短距離のサーバーから機能を提供する」ということが出来ます。
有名どころでは、当サイトでも度々紹介しているCloudflare Workersがあります。
サーバーを契約する際はロケーションについて見てきました。
SEOの面でも、ユーザー満足度の面でも、そして何より複雑化するサービスの中でデータの整合性を保つという意味でも、サーバーのレスポンススピードは大事です。
サービス内容に合わせて、適切なロケーションのサーバーを選ぶようにしましょう。
価格は記載がある場合を除き、すべて税込みです。
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